読書部屋

読書が好きな23歳IT企業社員です。読んだ本のレビューをかいていきます。

【読書日記1日目】【娯楽】人を救う技術か、悪魔の発明か『AI崩壊』 

2020年1月31日に映画化された「AI崩壊」の

ノベライズ版とされる本作。

 

今更ですが読みましたので、簡単に感想を書いていこうと思います。

 

 

あらすじ

 

2030年の日本ではあらゆるものがAIに置き換えられるようになっています。

車の自動運転や人々の体調管理、症状に応じた薬の投薬、果てはテッシュ配りまで。。。

 

そのほとんどの情報を管理しているのが医療用に開発された「のぞみ」というAIです。

 

しかし、国民から絶大な信頼を得て、

国の最大のインフラまでに成長した「のぞみ」ですが、突如として暴走をはじめます。

 

自動運転していた車は制御不能になり、事故が多発し、ペースメーカーを使用していた総理大臣までが死亡する事態に。。。

 

あらゆるものをAI頼りにしていた日本は突然の崩壊の危機を迎えます。

 

AI「のぞみ」の暴走の犯人として指名手配されたのは本作の主人公であり、AI「のぞみ」の開発者でもある桐生浩介。

 

本作は指名手配された桐生が警察との闘争劇を繰り広げながら「のぞみ」を止めるべく奔走する話になります。

 

 

 

ここが気になる

 

桐生が犯人と断定された理由

AI「のぞみ」は元々、桐生の妻である桐生望を”がん”から救うために開発されたという経緯を持っています。

 

開発には無事成功し喜ぶ桐生ですが、

AI技術が画期的すぎるあまり、

当時の法律の整備が整っていませんでした。

 

国に何度も承認を求める気流でしたが、

総理大臣が頑なに拒んだ結果、承認は降りることはありませんでした。

結果、救う手段があるのに関わらず、

国の承認が降りないという理由で望はなすすべもなくなくなってしまいます。

 

その後、総理大臣が心臓の病に倒れた際、

藁にもすがる思いで「のぞみ」を利用して一命を取り留めたことから、一気に法整備され、徐々に医療現場で利用されるようになっていきました。

 

本来、救うはずだった望は救えず、

救うことを拒んだ総理大臣が生き残るという

なんという皮肉でしょう。。。

 

そういった経緯から、桐生が総理大臣に復習するために「のぞみ」を暴走させたと疑われています。

 

 

果たして、本当に桐生が暴走を起こした犯人なのか?

 

 

こういった視点で読むと面白いかも

AIが発達したことによる社会格差

AIに置き換えることにより、

あらゆる方面で便利になったと描かれる一方、

AIの普及により職を失った失業者が大量に出ているという一面もあります。

 

AI開発をする人間が至福を肥す中、

生活もままならない人はいるという、絶望的なまでの格差社会

 

AIは神の発明なのか、それとも。。。

 

AIにどこまで任せるべきか

本作で桐生を警察が独自に開発したAI「百目」を使用することになります。

 

「百目」は、日本中のあらゆるカメラを搭載したデバイスにアクセスすることができ、行動パターンの予測や犯罪を犯す可能性を数値として算出することができるわけですが。。。

 

AIが暴走して、国家存亡の危機に陥っている状態でAIの使用許可が降りたというがちょっと腑に落ちない。。。

 

それはさておき、

「百目」は桐生を追い詰めるために、

あらゆる計算をして操作を手助けするのですが、

なんと、発砲許可の有無まで「百目」が判断します。

 

「百目」が発砲許可を出した途端、なんの躊躇いもなく発砲する警察の特殊部隊。

 

機械に人間の生殺与奪の権利を決めさせ、

それに盲目的に従う姿は異様に見えました。

 

果たして、考えることをやめて機械に従う人間は人間と言えるのか。。。

 

まとめ

AI関連の技術は、現実世界でもたびたび話題になります。

IT関連で働く身としては、

正直、10年くらいでAIがここまでできるわけないだろ。と突っ込まざるを得ませんでした。

 

しかし、本作のような悲劇的なことにならないまでも機械と人間の在り方。

どこまでを機械に頼り、人間は何をなすのかそういったものを考えさせられる一冊でした。

 

システムを作っているときは、世の中をよくしようとしか考えませんが、

出来上がったシステムにより不幸になる人間もいる。難しいですね。

 

 

さて、物語そのものの感想ですが、

序盤の説明が長かった分、中盤、終盤と描写が甘く、展開が早すぎる気が。。。

 

また、所々設定が甘く「どうして、そうなった!」と思うところもありました。

 

まぁ、終わりは綺麗にまとまっていたので!

終わりよければすべてよしです。

 

 

ストーリーではなく、AI実用化に対する考え方や在り方、

そういった課題を考えるべきだ!という主張が題材なのだとすれば十分に良作と言えるかと思います。